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バカであり続けろ

 2019年3月10日

 自分に対して【バカであり続けろ】って思う話。

 


 毎回行う脚を伸ばしたり曲げたりする神経伝達訓練は、トレーニングをスタートした時からやっている。
退院してからなので、もう13年間。
力の入る感覚どころか、動かされているのもわからなかった頃から続けている、最もやっている訓練。
どれほど少なく見積もっても、多分今年10万回を超える。

その間に、俺ってバカだよな…と思わなかった事は無い。
しかもやろうと決めたきっかけが、めちゃくちゃ単純。

お見舞いに来てくれた友達が、話してくれたこと。

「怪我か何かで動かなくなった子供の脚を、毎日お母さんが動かしていたら、動くようになったって」
「だからTakaもがんばれ!動くようになるから!」

って。
その時は励まされて嬉しかったし、
よーし!それなら俺も!
と思ってやってきた。

だけど何年か経ってふと気づいた。

それ実話?
しかも怪我か何かって、めっちゃ曖昧やし。
それ以前に脊髄損傷かどうかもわからない話…。
しかも、すまない…今やっているトレーニングの根幹になるようなこんな大切な話、誰がしてくれたか忘れた…。

バカだよねー。
今もそれを信じている。

 

でも思うんだよね。
世界を動かすのは賢い人とか偉い人とか、並じゃない人達。
だけど世界を震撼させることができるのは、根も葉も無い根拠を信じてやり抜くバカだって。

でなきゃ、諦めるじゃん。

いつまでたっても結果が出ないことは止めようって思うよ、普通。
冷静に判断してリスクを取らないから。

でもその判断材料って、何?

それは既に出回っている世界の常識なんだと思う。
誰かの後を追いかけても、追いつくことしかできない。
世界の常識の限界は常に変化しても、必ず何かと決まっている。

それと心。
人間って心のどこかに、無意味だと思うことや面倒臭い事はやりたくないって気持ちがあると思う。
その気持ちに負けたら何もできない…。

曲げ伸ばししても動かねーよ、って。
鼻で笑われることもあったから、医療関係者に話す事はもう無い。

でも原点に立ち返った時、誰もやらないようなバカな事でも、理屈が通っていればチャレンジする価値はある。
誰がそれを無意味だと証明した?
だったら、理屈を通すバカにならないと。
そうじゃないと世界の常識は越えられない。

 

同じ怪我では無いけど、諦めることなくリハビリを頑張っておられる凄い方が居る。
心打たれた話がある。

その人、コケる練習するって。
人が居てても。
色々なシチュエーションで。

側から見てたら、
大丈夫か?
って心配になったり、心ない人なら、
どんくさー
って思ったりするんだろうね。

でも凄いのは、ちゃんと考えあってのこと。
安全面とか迷惑がかからないようにとか、きちんと考えて、ワザとコケて自力で起き上がるまでを1セットにしていること。
それってある意味、極限のリハビリの1つだと思う。

病院とかじゃ、きっとやってくれないし。
ワザとだとしても、コケるのって勇気がいる。

万が一マジで転倒した時に備えて…

って、あれもこれもいっぱい考えて、それ練習するって…

凄いを越えた○○(敬意をこめて)

納得しないと超真剣にできないし(自分自身のためであれば)頑固なところもある性格だけど、その領域まで回復したら教えて欲しいと思えた数少ない方。
やっぱりそんな人が道を切り開いていくんだと思う。

 

ふと今思い出したけど、常識を越える結果に繋がってほしいと願う出来事がこの前あった。
褥瘡の診察で皮膚科へ行った時。
いろいろな都合があり、直接見てもらうことができない状況だったから、写真を持っていった。


一応の目標としては、入院や手術なしの自力で完治。
そうする理由も、ちょっとした家庭の事情があったりするけど…。
その経過観察と結果をまとめるために、いつも写真を撮ってスケールで大きさがわかるようにしている。

それを見せながら、前回からの経緯と、SIXPADを使っている話をした。
やりとりは割愛して…先生が最後に言った言葉…

「やけどしないように気をつけて!」

後でママちゃんと大笑いした。
もちろん気遣いとして受け止めたが、正しく使っていてSIXPADで火傷って…。

前回の受診は3ヶ月前。
その数日後からずっとやってるんだけど…。

もちろん自分の調査不足だろうけど、褥瘡をSIXPADを使って治療するって事例は初なのかな?
少なくとも自分と関係のある人の周りには1例もない。
驚かない医療関係者は今まで1人もいない。

でも理屈は通っている。
筋肉を動かして血流を良くして、栄養や酸素などをどんどん送っているだけなのだから。
褥瘡を圧迫して血流が悪くなると治らないから、
「座るなー!」
とか言われるでしょ。
座ってマイナスになっても、それを超えるプラスがあれば、結果として回復に向かう。
単純にそう思っている。


世の中いろいろな怪我があるけど、自力で治すために血流が良くて栄養や酸素が送られることって、基本だと思う。
それをやっているだけだし。
でも世界の常識にとらわれていると、身近なところにあるチャンスを見過ごしてしまうのかもね。

 

 


バカだと思われても、自分を信じてやり続ける。
その成果を、支えてくれた人達に自らの足で感謝を伝えに行く。

可能性は自分自身の中にある。
自分の本当の気持ちを裏切ってはいけない。
諦める時は、死ぬ瞬間でいい。
いつもそう思う。

 

 

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