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痛みについて①

2018年12月30日

最近の脚の感覚のことから…。
ブログを書いているうちに原点の仮説の話になってきたので、改めてまとめてみた。

とはいえ、現時点では中間結果。

 


受傷した頃は、力の入る感覚どころか、脚を触られても揺らされても何もわからなかった。

あの頃を思い出すと、今が嬉しいだけでなく、ある意味恐ろしい。
広く捉えれば、医学的にそんなことないよと決められているから。

脚を動かせるようになって、立って歩いてやるぜ!

とは思い、目標の一つにはしているが、感覚がどうこうなんて考えてもいなかった…。
それは触られたり動いたり動かされたりといったような感覚。

 


入院してリハビリと向き合った時に、いくつかの仮説を立てた。
それら中で、全ての仮説の根幹となる仮説がある。

【元に戻せば、すべては元に戻る】

怪我なんだから、治せば元通り。
まぁ、相当時間はかかるだろうけど。
でも首のプレートを入れた影響で、頚椎の4〜6の骨の隙間が再生した骨で埋まった。

プレートがなかったとしても、1つの骨になっている。
それと首の手術痕は治らないだろうなぁ。

そう単純にそう考え、
真実を語るのは自分自身の身体のみ、
たとえ何があろうと自分の身体を信じて、
決して心が身体を裏切ってはいけない
…と。

なので、
医師の話はまず疑い鵜呑みにしない、
リハビリは納得したことだけ真剣にやる、
最低限の薬しか服薬しない、
手術はしない、
注射などの医学的な治療はしない、
必要以上の医療の知識を持たない。

そんな…
ある意味偏屈な、
ある意味Supernaturalな、
戦いに挑んだ。

なので、話が合わないスタッフは、面白くない患者だっただろう。

 


でもね…
いろいろな制約がある中で、何とか結果を出そうとする…そういった人たちは、患者に寄り添う事はできても、患者の生涯に責任は持てない。
無事退院したら、普通はサヨウナラ…。

回復も老化もするんだから、退院した時のままの状態で死ぬまで生きる人なんていないのに。
だからさ…
心も身体も、洗脳も改造もされたく無い…
結局、責任を持てるのは自分自身しか居ないから…
自分の障害と生涯をしっかりと考え、納得できる事はもちろん受け入れるけど。

 



色々と思い出すと、話が右往左往してしまいがちだけど、今回記しておこうと思ったのは疼痛について。
もちろんその痛みについてしっかりと自学してはいない。
そこで登場するのが、
【元に戻せば、すべては元に戻る】仮説。

最初は良かった。
それすらほとんどわからないほどに何も感じず、麻痺している部分は痛くも痒くもなかった。
それがいつの頃か…リハビリ病院へ転院してからか?

肩甲骨周りと両脚が痛くなり始め、やがて激痛で寝るどころかただ起きているのも辛い。
仰向けで寝ていてジタバタしたくても、両肘がそれぞれ一度限り曲げられるだけ。
自分で戻せないからそのままの状態。
肘が曲げられたところで何の役にも立たなかったけど。
横向きで寝ていても揺れることすらできないし、姿勢が崩れたら崩れたまま。
まぁ忍耐強くて、その長所が最大限に発揮される。

痛い

とさえ言わなければ、誰も必要以上に心配はしないから。

ロキソニンは効かない。
痛みを取る医療行為はする気がない。
リリカは筋弛緩剤なので使う気はなく、医師との関係を良好に保つためにもらっていただけ。

睡眠薬…飲めばどうなるか人生で一度限りの体験をしてみたけど、心にも身体にも合わなかった。
 


退院してからも痛みに耐える日々が続いた。
一晩中寝ることができず、闇を見つめるなんて当たり前。
日常生活とトレーニング以外に時間はたっぷりある。
限界が来たらくたばって寝てしまうだろうし、無理に健常者と同じパターンで寝る必要はないと考えた。

心も身体もまともじゃないんだから。

 


トレーニングを続けるにつれて、痙性が出るようになってきた。
何年目からだったかな?
早い時期からも有ったような気はするけど、無かったような気もするし…?

体の場所によって時期も違うし。
ブログを遡ったら書いてるだろうけど。

痙性を好まない人の記事に多く出会う。
でも自分は好き。
感覚も動きも何もない時からしたら、たとえ痙性でも自分の身体が動くのって嬉しい。

 

だって、生きていることを実感できるから。

 


それだけでなく気づいたコト。

痙性が出ると痛みが和らぐコト。
ガツンと痛みが消えるわけではなく、ふわりとマシになるだけでも、一瞬の幸せが訪れる。

やがて腹部痙性で脚を動かせるようになった。

それはそれは辛くて寝れない夜の痙性発動は、最高の時間。

痛みがマシになり、寝るのは今のうちだー!
って思うけど、そんなすぐに落ちるわけじゃない。
結局は再び強くなる痺れや痛みをこらえながら、次の痙性発動を待つ。
そうやって遊んでいたら、外が明るくなる頃にはウトウトしていたな…。

 


そんな寝不足状態の日々だけど、意識を失うほど寝られるのが、脚の拘縮予防で動かしてもらう時。
今もそうなのだけど、脚が楽になると寝られる。

そこから考えられるのは、やはり血流。
麻痺で動かないから、血の流れは絶対悪い。
血の流れが悪くて、良いことなんて1つもない。


そこで根幹の仮説、【元に戻せば、すべては元に戻る】に結びつく。
一時的とはいえ、血流が本来の状態に近くなることで、身体の状態が良くなる。

じゃぁ常に身体の状態が良ければ?

 


そこで【元に戻せば、すべては元に戻る】から枝分かれする仮説、
【血流が良くなれば、痺れや痛みが和らぐ】
【筋緊張が下がれば、痺れや痛みが和らぐ】
を検証していくことになる。

どちらも、トレーニングとストレッチとマッサージを継続することで、痺れや痛みの緩和が期待できると考えた。
痙性は麻痺の回復において必ず現れ、そして消え去っていく。

逆に言うと経験上、痙性が現れなければ麻痺は治らない。

 

軽減などの治療はせずに、自然な変化を観察。
ロキソニンは他で必要になるから仕方がないけど、それ以外の痛みに作用する服薬はせずに自然の変化を観察する。
それぐらいだったかな?
マイ ガイドライン。

 

 


2006年3月に受傷し、今2018年12月。
間違いなく減った。
一晩中寝ることができず、闇を見つめるのが普通のことだったけど、今はほぼそんな日は無い。
慢性的な寝不足生活と、ハードトレーニングの疲れのおかげもあるけど。
逆に疲れていなくて、元気で寝れない日もある。

もしくは痺れや痛みではなく、呼吸関係のことで寝れない日はある。

 


年々身体の動きは回復していて、いくつかの痺れや痛みを軽減する方法を身に付けた。
脚を当たり前にコントロールして動かすのはまだ無理。

なので、上がった筋緊張を利用して痙性で曲げる動作をすることにより、血流を促し緊張を下げて痺れや痛みを減らすことができる。
横向きで寝ていたら上半身を仰向けにしたり戻したりすることで、頭から膝までを揺れ動かして緊張を下げたり、体重で圧迫されて血行が悪い部分を解放して血流を良くすることができる。

緊張を下げること、
圧迫を解放して血を流すこと、
痙性を使った筋収縮により血流を良くすること、
脚を曲げ伸ばし開閉することにより、筋緊張を下げること、
温めること、
など。

 


疼痛の軽減についてさらに考えてみる。

スタートは【元に戻せば、すべては元に戻る】

そこから枝分かれする仮説。


【血流が良くなれば、痛みが和らぐ】
【筋緊張が下がれば、痛みが和らぐ】

どちらも、誰もが経験したことがある。
そう、例えば正座をして足が痺れた時。

足の痺れは、神経が圧迫されるため。

それと同時に血管も圧迫されることで、血の巡りが悪くなる。

痺れが落ち着いてきて、筋肉がほぐれてくれば、ようやく普通に歩けるようになってくる。

 

【筋肉の圧迫を解放することで、痛みが和らぐ】

と、さらに立つ仮説。

じゃぁ圧迫しないように浮かたりすればいいのか?

 

いやいや、そうじゃない。

そもそも、なぜそうなったか。

それは脊髄損傷になったから。
脊髄損傷になると麻痺する。
麻痺すると筋肉が働かなくなる。
筋肉が働かなくなると血流が悪くなる。

血流が悪くなると痺れる。


痺れるのは神経と血管が圧迫されるから。

じゃぁなぜ健常者より痺れたり痛いのか?

 

それはすでに導き出されている。

それは麻痺で筋肉が衰えるから。

麻痺をしても、

骨の大きさは変わらない、

血管が細くなる事はひょっとしたらあるのかもしれないが、無くなる事は無い、

神経が細くなる事はひよっとしたらあるのかもしれないが、無くなる事は無い、
痩せて部分的に体重が減っても、脚が無くなる事は無い。

 

だったら脊髄損傷で麻痺した結果、薄くなってしまった筋肉の中で神経と血管が、強い圧迫を受けることがとんでもなく多くなっているのではないのか?

麻痺をしていても、痛みは最重要感覚だから温かいとか冷たいとかよりも敏感に感じるのではないか?

 

湯船につかり身体を温めることで、痙性や痺れや痛みがマシになる。

それはよく聞く。
だけど所詮その時だけ。

 

根本的には、【元に戻せば、すべては元に戻る】だから、

骨OK、神経OK、血管OK、

筋肉…ダメダメ

 

ならば筋肉が回復すれば痺れや痛みが減るのか?

 

→ 減った!

 

医療的な事はしていない。

ただただトレーニングして、身体を回復させただけ。

回復に伴い、痺れや痛みが軽減した。

 

もちろん元通りの体にはなっていない。

それでも日常的に自発的・強制的(他動の意味)のどちらもで動かし続けることで、間違いなく痺れや痛みが軽減した。

筋肉はフニャフニャで、自分で動かせない部分がまだまだ多い。

だから説立証は終わっていなくて中間結果になるが、今のところ狙いは外していない。

 

立証が終わるのがまだまだ何年も先だろう。

だけどこの仮説が、疼痛対策の助けになれば嬉しいと思う。

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